2013年2月23日土曜日

彼方から/ひかわきょうこ

「この世のすべてが奥底で一つになっている世界  わかる?  ずっと探してた光の世界だよ」


記念すべき初投稿は、敬愛してやまないひかわきょうこ先生の『彼方から』にしました。


ひかわ先生の漫画は優しく包んでくれるような不思議な魅力があります。
特にその中でもこの作品が大好き。
何が大好きって人物像はもちろん、ストーリー設定や感情表現が少女マンガ脳をくすぐりまくるのです。

内容はというとファンタジー作品によくあるパラレルワールドもので、
主人公の立木典子が爆発事故をきっかけに言葉も通じない異世界に飛ばされちゃうところからスタート。
その世界で最初に出会った人物が渡り戦士のイザークなわけで、
これが私好みのムッツリ系黒髪ロン毛のイケメンってとこからポイント高い。

あれやこれやそんなこんなで結局2人で旅を始めるわけだけど、言葉が分からないノリコとイザークの
序盤のやり取りは萌える。そしてだんだんと恋愛感情に発展していく過程がさらに萌えるんですこれがー!

SFものに恋愛要素はいらん!ってのが持論なんだけど、この作品に関しては2人のおぼつかない
ピュアな恋愛がイイ味出してて大好きです。
またそれだけじゃなく政治弾圧や哲学的要素が含まれて物語自体の造詣が深いのもオススメポイントですね。

相見えることの許されない「天上鬼」のイザークと「目覚め」のノリコ。
凶事とされる2人の出会いは何を意味しているのか…

「天上鬼」と「目覚め」であるがために逃亡を余儀なくされるどころかお互いの気持ちを抑えなきゃならなかったり障害が続いてもう駄目かと思うんだけど、ついに気持ちが通じ合うシーンとか、それまで2人が出会った人達が
中心となって一緒に戦ってくれるエンナマルナのシーンにはかなりじーーんと来ます。

ただ大きな戦闘シーンがちょい多すぎるかな。
なんていうか、この展開でこのボリュームなら物語を左右する大きな戦いは1つで良いと思う。
終盤にかけてデカいのがバンバンバンッと続くので、ちょっと疲れるのが唯一残念なところ。

まぁ、基本的にひかわ先生の描くキャラクターがとっっっても魅力的なので、
ストーリーの多少の不満も余裕でカバーされちゃうんだけどね。

とにかくイザークのツンデレヒーローぶりと弱そうに見えて実は芯の強いノリコのナイスカップルはかなり私的
ランキング上位食い込んでます。
それに、少女マンガのヒロインって結構イラつかせる部分が多いけど、ノリコに関してはそれが1つもない! 
まじでいいオンナなんだなこれが。

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